「料理だけ作っていても、お客さんは来てくれない」。だから模索し工夫する。お客様を思い12年、宇品で鉄板の前に立ち続ける。

広島名物が、ぜんぶ食べられる店「のっく」
── まずは自己紹介と、いま取り組んでいることを教えてください。
今は鉄板焼きお好み焼き のっく広島本店という店を12年間経営しています。のっくの横山 寛と申します。
── のっくはどのようなお店ですか?人気メニューや、客層についても教えてください。
基本的にはお好み焼きプラス鉄板焼きという、広島によくある形態なんですけど、その中でも広島名物をたくさん食べれる店、それで満足してもらえる店っていうのを目指して、料理の構成だったりドリンクの構成を作っています。
おすすめなのは、やっぱり広島名物となればお好み焼きと牡蠣とコウネというのが僕の中で三大名物かなと思っているんですけど、それが三つ同時に食べれるというお好み焼きを提供してあったりとか。あとは広島の中で名物のレモンとか、アナゴ、ホルモン、センジガラ、ガンス、ウニホーレンなどですね。そういう広島名物がたくさん食べれる。プラス、地元の方にもやっぱり満足してもらいたいので、島根の直送の魚であったり、高知の野菜とかお肉ですね、そういうのを取り寄せてうちで提供して、満足してもらえるような店作りをしています。

── お客さんは観光の方も多いんですか?
宇品のここは地元で、自宅を改装して始めたんですけど、地元の方と、あと観光の方はプリンスホテルから結構来ていただけるのと、そこからインバウンドの方も来ていただいているので。やっぱり広島ってなったらお好み焼きが名物なので、それを食べていただいて、やっぱりおいしくなかったらがっかりする、旅行自体の満足度が下がってしまうと思うので、僕は結構広島代表のつもりで、おいしいお好み焼きを食べてもらえるように日々焼いています。

保育士、麻雀、そしてお好み焼き
── お店を開くまでの経歴と、オープンの経緯を教えてください。
自分の場合はありがたいことに、結構好きなこと、やりたいことを仕事でやらせていただけているというのが続いてまして。過去は保育士とか、あとは麻雀を自分でやったり麻雀を教えたりというような、勝負の中で生きてきたっていうのと。
その中で料理を覚えまして、次は料理で人を喜んでいただきたいという中で、うちの母親がお好み焼き屋をやりたいという夢があったんですね。自分がその時ちょうど料理を仕事にしたいというので、じゃあ自分がこの店を作るので、一緒にやりませんかということで、地元でお好み焼き屋を始めました。

3年目に気づいた、「料理だけじゃダメだ」
── ゼロからの店作り。一番大変だったこと、難しさを感じたことは?
そうですね、やっぱり最初は集客ですね。飲食店って料理が好きでとか、料理を食べてほしくてという思いで始める方が多いんですけど、集客であったりとか、どういうふうにお客さんに認知をしてもらうとか、そういうのはやりながらみんなやっていくと思うんですね。
それがやっぱり僕も最初の段階でできてなかったので、オープンして3年経ってからぐらいで、「このままじゃ、お客さんは料理だけ作ってても食べに来てくれないんだな」っていうのが分かって。それからいろいろ勉強も始めてですね。どうやって発信したらお客さんが来てくれるとか、こういう料理を作ってアピールしたら、それを目当てに食べに来てくれるとか。
そういうことを始めて、なんとかコロナを乗り越えて、経営は今のところ順調にいきながら12年経っているというところですね。
── 発信はWebやSNSも駆使しながら?
そうですね。WebプラスSNS、あとGoogleとか。
そういう情報をしっかりお客さんに伝えられるっていうのを意識してやってますね。
── ご自身でやられてきたことが多かったんですか?
自分でやっているプラス、自分でやれないことは依頼して、外注でやっていただくってことはよくやってましたね。SNSのInstagramとかもそうですし、Googleの情報整備とかもそうですし。やっぱりプロに手伝ってもらうっていうのはよくやってました。

12年で変わったこと。需要に、まっすぐ応える
── 12年やってきて、ご自身の中で変わってきたことは?
最初はやっぱり、今ほど広島名物に特化してたわけではなくて、お好み焼きも平凡なものが多かったり、鉄板焼きもそこまで特化したものはなかったんですけど。経営していく中で、お客さんが何を求めているか、どういうものが食べたいかっていうのを、やっぱり対面で接していくので、そういうのを感じながら、「こういう料理は喜んでもらえるかな」とか、いろいろ考えながら広島名物を作っていったっていうのと。
やっぱり需要と供給ですよね。商売って何でもそうなってくると思うんですけど。広島ってなるとやっぱりお好み焼きを食べたいという方が多いので、これだけいろんなお好み焼き屋がある中でも経営ができるのは、それだけ求めている方が多いので。それに対してしっかり応えるような店作りとか発信能力っていうのが今できているので、なんとかやってこれているなというふうな思いはあります。

次の挑戦は、鉄板の外にある
── これからの目標を教えてください。
これが今から本当にやりたいことなんですけど。やはり飲食店って、働いていると肉体労働なので、40歳、50歳、60歳になってくるとだんだんきつくなってくるんですね、現場で働くということ自体が。個人事業主だとやっぱり自分で働かないとお金は入ってこないので、その状況を自分自身も何とかしたいなと思ってまして。現場で働くプラス、もう一つの働き方として、やっぱり物販で何か販売するものを作って、仕事のやり方とか労働時間を少なくしていくというのが、今後の課題かなと思っていたところです。

焼肉屋さんと今協力して、食に関わることで開発ができたんですけど、牛タンの皮を使ったペットフードのジャーキーであったり、お酒のおつまみっていうのが開発できたんですね。それを販売することで、焼肉屋さんもうちも助かりますし、プラス他の焼肉屋さんなどもそういう牛タンの皮ジャーキーを店舗で販売してもらって、利益につながるというところと。あとペットフードは産業としてはかなり大きい、需要と供給が国内でも大きいですし、海外でもそういうのを求めている方が多いので、海外でも展開していけるというので、今ペットフードの開発であったり海外展開に取り組んでいるというのは大きいです。
プラス、やりたいこととも合致するんですけど、やっぱり社会貢献したい。何か社会の課題を解決できるような動きを取りたいなというところで。せっかくペットフードを開発するんだったら、ワンちゃんとか猫ちゃんの体にいいもの、健康になるようなものを作って食べてほしいというのと、社会課題としては殺処分をできるだけ減らしてゼロにしていく活動であったり、保護犬や保護猫の支援活動ですね。
ペットと人間がよりよく生きられるような寄付金であったりとか、そういうことで社会にちょっと貢献しながら、自分もしっかり稼げて生きていけるような環境づくりとか仕組みづくりを行って、ペットフード販売に取り組んでいます。
── 販売はもうスタートしているんですか?
販売自体はスタートしています。今、国内販売とECサイト、あとは海外への取り組みなども行っています。

ママさんも、店も、子どもも。三方よしの仕組みへ
── もう少し先の、やり遂げたいことは?
ありますね。もう一つはやっぱり、現場の中で働きたいママさん。お子さんを子育てしている中で、なかなか時間の制限があるから、働きたい時間に働けないっていうママさんもいると思うんですよね。
そういう中で、やっぱりお子さんにも幸せになってほしいですし、ママさんにも幸せになってほしいので。ランチ営業してない飲食店を間借りして、ママさんに働いてもらって、お子さん・ママさん・飲食店の三方よしの仕組み作りっていうのも今取り組んでるんですね。その仕組みを大阪で始めたりとか、広島でもこれから取り組んでいきたい。
将来的にはうちの店もママさんにランチ営業で働いてもらって、稼いでもらって、社会貢献がしたいというところと。自分も働かなくてもお店が回るような仕組み作り。プラス、先ほどのペットフードの販売でいろんなところを回ったりとか、海外にも事業展開していきたいので、その仲間を作ってですね。
例えばタイだったらタイに向かう、プラス仲間で一緒に旅行もするみたいな。そういう形が作れれば、周りのみんなが幸せになれるかなと思って今取り組んでいます。

原点は、「喜んでもらう」こと
── 「食」と「人に喜んでもらうこと」が主軸にあると思います。その原体験は?
僕個人もやっぱり振り返ることが多々あるんですけど、高校時代の時に最初に保育士になりたいと思って、保育士を選択したんですね。やっぱりその時は子供が好きっていう思いだったんですけど、保育士ともう一つ、選択肢としてトリマーっていうのがあったんですよ。最近思い出したんですけど、「そういえばトリマーにもなろうと思ってたな」って。それが今、動物・ペット関係の食品に関わっているのかなっていうのもありまして。
やっぱりちっちゃい頃から料理を作っておじいちゃんに喜んでもらったりとか、麻雀をしている時にまかないをお客さんに食べてもらって喜んでもらうとか。
ベースは人に喜んでもらうっていうのが一番大きいですね。笑顔になってもらったりとか、「美味しかったよ」って言ってもらえるのが一番大きいですね。

横山さんを応援するには
── この記事を読んで「応援したい」と思った方は、どうすればいいですか?
もう本当に、お店に来ていただいて。お店としては一番嬉しいのはやっぱりGoogle口コミを書いてもらえるのが一番嬉しいですね。あれがやっぱりスタッフの励みになったり、自分のやる気につながったり、プラス他のお客さんがそれを見て、また店に来てくれるっていう流れになりますので。Google口コミ書いてくれたら泣いて喜びます。
プラス、美味しいお好み焼きを食べていただいて。あとは店舗でもペットフードのジャーキーであったり、お酒のおつまみのジャーキーも販売をこれから開始する予定ですし。それが売れたらしっかり保護犬とか保護猫、殺処分ゼロの活動の寄付金に充てていくという動きも作っていくので、そういうところで購入してもらえたらすごくありがたいです。

挑戦する人たちへ
── 最後に、同じように挑戦している人たちへ一言お願いします。
あえて限定させてお話させてもらいたいんですけど、僕の場合は飲食店を経営されている方。好きでやっているという方は多いんですけど、僕からしてみたら、ちょっと働きすぎな方が多いと思うんですね。1日10時間から12時間、多い方だと14時間ぐらい働かれている方も多くて。
70代になっても好きで働いている方もいれば、収入を作らないといけないので働かれている方もいらっしゃるので、そういうところを何とか課題として解決したいなという気持ちはあります。
労働時間を減らして稼げるようなやり方を工夫したりとか、何か別の収入をちょっと作れるようにしたりとか。そういうことで、無理なく適切な労働時間で働けるような形がもっと作れればいいかなと思います。もちろん好きで長時間働いてるんで全然いいんだよっていう方は問題ないと思うんですけど。
一言で言うと──体を大切に。適度な労働時間を目指しましょう。
店舗情報
鉄板焼き・お好み焼き のっく 広島本店
〒734-0015 広島県広島市南区宇品御幸4丁目14-11
TEL:082-252-1189 営業時間:16:30〜21:00/定休日:月曜日(月曜祝日は営業、翌日代休)
広島電鉄「宇品5丁目駅」から徒歩約2分・赤い看板が目印