「人前で話せず、何も食べられなかった」弱気なパティシエは、なぜ日本一を目指す心理カウンセラーになれたのか?一般社団法人 解決療法心理カウンセラー®協会 代表理事・中村隼登氏
洋菓子店のパティシエとして約10年。トップを任されながら、人間関係に潰れた。そこから心理学と出会い、いまは講師として、そして相談員として、生きづらさを抱える人の隣に立ち続けている。「人前に出ると飲み込まれて喋れなかった」という中村さんが、なぜ人の心に向き合う仕事を選び、どこへ向かおうとしているのか。じっくりお話を伺った。

まずは自己紹介をお願いします
一般社団法人解決療法心理カウンセラー®︎協会 代表理事の中村隼登と申します。
僕自身が立ち上げた一般社団法人 解決療法心理カウンセラー協会の代表として、講座などをさせていただいております。
また相談員として障害を持つ方の生活や仕事の相談に乗るという仕事をさせていただいております。
これまでのご経歴を教えてください
一番最初は、洋菓子店のパティシエとして修行を約10年近くさせていただいておりました。
その時に、自分に自信が持てなかったり、厳しく言えなかったり、そういうところに劣等感を感じていて。生まれてからずっと感じ続けていたところがあって、チームをまとめるというのがうまくできなかったんですね。10年は頑張ってみたんですけれども、心のほうも挫折をしまして。
新たな道を考えたときに、高齢の方に関わる介護職に転身をしたんですね。その時に心理学との出会いがありまして、そこからちょっとずつ自分に自信が持てるようになって。悩んでいた人をまとめていくこと、人と一緒に人をサポートしていくこと、自分を好きになること。そういうところが自分の学びを通じてどんどん広がっていくので、「あ、これはいろんな人に知っていただきたいな」と

自分自身が持てない方、自分が嫌いな方、僕が昔悩んだようなことでしんどい思いをされている方、辛い思いをされている方が、きっと人生が変わっていくんじゃないかなということで、講師活動を積極的に進めていきました。その際にはアメリカで、講師になるためのトレーニングを受けています。アメリカでできた心理学の講座を開講したり、いろんなお客様と出会って、人生に少しずつお役に立てていたりします。
アメリカで学ばれた心理学とは、どういう分野なんでしょう
名称は「NLP」というものです。今でもいろんな本屋さんに行けば書籍が出版されている、アメリカでできた心理学なんですけれども。
強みと言えば、コーチングみたいな用途もすごく強くありますし、人との信頼関係を一瞬で築く方法に心理学的なアプローチができるということで、ビジネスマンの方で学ばれる方がすごく多くなりました。プレゼンテーションの力というNLP独自の分野もありまして、いわゆる「なんであの人はあんなに面白い話し方ができるんだろう」とか、「なんかスッと入ってくる、心に響く伝え方ができるんだろう」というところですね。話すのが苦手な方がそういうものを身につけられる、特化した分野があります。
そしてもともとは、トラウマだったり、戦争で心が傷ついた方の早期回復のためにできた分野でもあるんです。そういった専門講座も、こちらで開講させてもらっています。
──受講される方は、どういった層が多いですか
経営者の方、人事の方、管理職の方。またご自身が心のご病気を患った経験がある方、自信を持っていきたい方、「自分を好きになる」というところを知っていきたいという方。いろんな方々が来てくださっています。

実は、人前で話すのが得意なタイプではなかったそうですね
僕はとても気が弱くて緊張しやすくて、人前で話すのが得意というより、人前に出るとみんなに飲み込まれて喋れないタイプだったんです。
10代の頃なんかは、人前だと何も食べられずに耐えるみたいな、そういうインドアなタイプの人間でした。そういう人でもこうやって自分を好きになれたり、悩んでいる人のお役に立てたり、「こんなふうに変われるんだな」と思っていただけるヒントになれたらな、というふうに思っています。
実際にお役に立てているのは、引きこもりの方のご支援とか、心に障がいのある方とか、外に出られなくなったり、自分に自信が持てなくなったりしている方のお手伝いですね。
中村さんならではのアプローチとして、意識されていることはありますか
「職場が合っていない」というだけで、一生懸命頑張られている方が本当に多いんです。
例えば僕自身、職人としてトップに立つのは合わなかったけれど、介護のヘルパーとして現場に行くと、すごく喜んでいただける性格だった。自分の性格だったり、自分の強みに合った場所に出会えることができたら、自分のことをもっと好きになれたり、自信を持てたり、仕事を好きになれるんですよね。
── ある種、周りの環境整備も一緒に見てあげるということですね。
そうですね。ご本人が持っているものって、もしかしたら客観的なほうが見つけやすいものなので。僕自身が経験してきているぶん、そのヒントをお渡しできるかなと思っています。

講師として動き出した頃、大きな転機になったことは
やはり最初ですね。アメリカで学んで戻ってきて、いろんな方が活動されている中で、僕にはただ「自分から本気でやっていきたい」という思いだけがありました。
当時はYouTubeもまだそこまで発展していない時代だったので、ブログを毎日何回も何回も書いて発信して。それをもう、休む間もないくらいずっと続けたら、見ていてくださる方がどんどんセミナーに来てくださるようになって、長期の講座も受講してくださるようになったりとか。
そういったことで、自分がやりたいなと思ったことは、諦めずに続けさえすればいつか叶う。その人にしかできないこと、その人にしか届けることができないメッセージを必要としている人が世の中にいると思うので、諦めずに続けていくのがいいなという経験を、僕自身がしました。
その活動を支えてくれた人や言葉はありますか
人で言うと、最初のセミナーに一番最初に申し込んでくださった、とある企業の社長さんですね。すごく長い期間、応援してくださって。おっしゃってくださる言葉にもすごく心が動かされました。その後もずっと励みになっていて、いろんな人が応援してくださったことで今の自分があるな、と思います。
あとはこれ、ちょっと恥ずかしいんですけど……ONE PIECEの黒ひげですね。
── 黒ひげ、ですか。
まだ今みたいにワーッと人気が出てくる前の頃で。「人の夢は終わらない」という、あのセリフだけがもうずっと胸の中に残っているんです。
── 確かにあの頃の黒ひげって、すごく人間らしかったですよね。
「みんな成功するわけないだろう」「何言ってるんだよ」みたいな声って、やっぱり気になっちゃうんですよ。ブログでいろんな発信をしていると、マイナスなメッセージが時には出てきますから。
それでも続けてこられた「自信」は、どこから来ているんでしょう
やっぱり、僕は大学も出ていないですし、家柄が特別なわけでもない。心理学として、まともな道を歩いてきていないという思いが、ずっと最初からあるんですよね。
その中で、自分がメディアを使ってゼロから発信して、応援してくださるお客様が少しずつ増えてきたときに、「僕にしか伝えられない人がいるのかな」「僕にしか求められない方がいるのかな」と感じるようになってきて。
例えば今、障がいのある方や引きこもりの方に出会っても、やっぱり僕だからお届けできるメッセージがある。同じ言葉、同じ心理学の言葉であるかもしれないんですけれども、僕にしか伝えられないもの、僕が経験してきた辛さだからお届けできるものがあるという自負みたいなものがあります。

相手との距離感、踏み込み方のバランスはどう考えていますか
これはですね、大きな団体で講師の修行をさせていただいていた時期があるんです。その時に、ベテランのカウンセラーさんから「本当の尊重って何だと思う?」と投げかけられて。それをいつも大事にしています。
僕はカウンセラーとしても、「ご本人にとってためになる一言を選べていたか」「あの一言でよかったのか」を、いつもものすごく一人で振り返るんですよね。
もっとこの言葉で返したほうが、ご本人にとって尊重につながっていたんじゃないか、より良い支援だったんじゃないか、と。心理学の勉強が、もう仕事でもあり、趣味でもあるんです。
これからの展望を聞かせてください
講師活動としては、もっともっと積極的に活動ができたらということですね。いろんなご依頼をいただくこともあるんですけれども、もっといろんな人にお届けできるような機会をつくっていけたらなと。
急速に時代が変化しているので、僕が心を伝えたいと思ったときに、「今の方がどんなことを求められているんだろう」というところもしっかり捉えていけたらと思っています。
例えば最近だと、企業さんの側が疲弊しているというご相談があったり、「高校生の保護者様が集まるので、子どもと関わっていくコミュニケーション、心のあり方について講演してほしい」というご依頼があったり。本当にいろんなニーズがあります。
僕にとって原点なんですけど、自信を持てない、自分が好きになれない、自分が嫌いだという方が、自分を好きになれるお手伝い。もしかしたらAIができる部分もあるかもしれないですけど、AIにはできない部分をしっかり伸ばして活動できたらいいなと思っています。
あとは僕自身は常に上を目指していきたいというのは、常にしていて。相談員としても、日本一を目指しているところがあります。まだ途中ではあるんですけれども、「自分がトップだ」と思えないくらい、日々いろんな学び、いろんな経験を重ねて。人に教える立場でもあるので、成長はずっと、死ぬまでしていきたいなというのがございます。
今、足りていないと感じている部分は
実は一つあって、今、発信の活動があまりできていないんです。
いろんな方のご相談やご支援に対応させてもらって、ありがたいこともしているけれども、まだ出会えていない方にお届けするというところができていない。そこにつなげていけていないので、そのあたりをもっともっと活かしていけたらいいなと思っています。

中村さんに講演やご相談をお願いしたい方は、どうすればいいですか
ホームページに講座のお問い合わせフォームがありますので、そちらからお気軽にご相談いただければと思います。「こういう講演はできますか」といったご相談も、全然大丈夫です。
最後に、全国の挑戦者へメッセージをお願いします
自信が持てないけれども、「やりたいな」「やれたらいいな」と思えていることって、どなたでも叶えられると思うんです。
追いかけ続けることで、必ず叶う。
中村 隼登(なかむら はやと)
一般社団法人 解決療法心理カウンセラー®協会 代表理事
米国NLP™協会認定トレーナー/官公庁専任カウンセラー/産業カウンセラー(実技指導経験者)/国家資格キャリアコンサルタント
産業カウンセラー実技指導者の経験もあり、多くの心理カウンセラー養成に携わる。公的機関の心理カウンセラーとして現場の様々なカウンセリング経験から伝える講座は各方面から高い評価を得ている。米国NLP協会公認のNLP講座を定期的に開催。心の在り方を伝えるセッション・講座で、生きづらさを抱える多くの方の悩みを解決している。